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【蔵本達也のドイツ社会人留学リポート】ドイツ病院事情

2024/10/01


 皆さんこんにちは。ドイツはとても寒くなってダウンコートを着ている人もいます。本日(9/15)の最高気温は17℃、最低気温は6℃とかなり寒い季節になりました。日照時間も少しずつ短くなって暗黒の冬の到来が近づいてきています。

 今回は私の経験談でドイツの病院の仕組みについてお話しようと思います。というのも最近体調を崩して病院に行ったのと、軽いスポーツ中のアクシデントで腰を痛め、整形外科(Orthopädie)に行ったのでその事についてお話しします。

 まずは風邪や体調不良の際の対応ですが、ドイツにはHausarzt(かかりつけ医)というのが存在し、多くの人が家の近くのHausarztを見つけています。そして体調不良や風邪を引いた場合、Hausarztに行き診察してもらいます。基本的には『休みなさい。』としか言われませんが、その症状や状態を医者が判断して、薬を処方してくれたり診断書を書いてくれます。

例)1週間休みの診断書

この診断書を会社に提出すれば、この期間は病欠になり、有休を使うことなく休養に努めることができます。日本では基本的に風邪や体調不良の場合は、有休扱いになりますが、ドイツでは有休ではありません。しかしドイツ人の話では、仮病を使って診断書を書いてもらう人もいるようなので、職場から指定されたHausarztに行くように指示されるケースもあるそうです。それくらい仕事を休む人が多いのもドイツの特徴です。ちなみに私のタンデムパートナー(母国語を教え合う友達)もかなり病欠で仕事を休んでいます。以前私も体調不良となり診断書を書いてもらいました。その為有休を使うことなく休養に専念できました。悪意で使うのは良くないですが、本当にしんどい時にこの制度を使えるのはドイツの良いところだと思います。そしてもちろん病院は全て保険で済んだので支払いはありませんでした。支払いと言えばApotheke (薬局)での薬代のみです。診察料や検査代、理学療法の料金は基本的に無料です。しかしドイツの保険料はかなり高額です。

 もう一つはレクレーションのサッカー中に腰を痛めて、整形外科に行った時の話ですが、ドイツの病院事情はとても複雑です。そして今回もかなりトラブルがありました。まず日本の整形外科では、基本的に予約しなくても初診で診てくれる病院が多いです。(今は分かりませんが)そして待ち時間があるかもしれませんが、その日のうちに必要ならレントゲンを撮って、診察して処置、理学療法や物理療法、お薬を貰うことができます。MRIを除けばその日のうちに何とかしてもらえるのが日本かなと思います。もちろん会計もありますね。

ドイツでは基本的に完全予約制です。しかも予約がほとんど取れない状態で、私も3週間後に予約が取れました。どうしても待てないという人は救急に行くか、Hausarztに相談して薬を出してもらう形になると思います。3週間後に整形外科に行きましたが、そこで保険証を渡し、症状の簡単な説明、経緯を書いて待っていましたが、ここでトラブルがおきました。保険証のICチップが機能していません…初めて保険証を使うのにカードのlC チップが壊れていたみたいです。一緒に来てもらったドイツ人の友達に急いで保険会社に電話で説明して保険会社からファックスで証明書を整形外科に送ってもらい、新しい保険証を郵送すると言われました。その後ドクターに呼ばれて、症状を説明して診察が始まりました。簡単な検査をしてMRIを撮った方がいいということになったので、処方箋の紙を数枚もらってMRIを撮ったらまた来てくださいと言われ帰りました。そこでは、インソール、コルセット、低周波治療機を貰い、会計をすることなく帰りました。その後MRIの専門の病院?の予約を取り(これも2週間後)早朝に行きMRIを撮りましたが、15分程度で終わりました。MRIの結果はQRコードが記載している紙でスマートフォンでも確認することができました。その2週間後にMRIの結果を見せて整形外科に再度行き、診断を言われてまた処方箋を数枚貰い、違う病院に行って注射とリハビリをしてきてね。と言われて終わりました。

『また違う病院かい!』と心の中で思いながら現在に至っています。症状が発症してからもう1ヶ月半近く経っているので、症状も落ち着いてきています。

こんな感じでドイツの整形外科は1個の整形外科では問題解決ができなくなって複数のところに行かないといけません。そして予約もかなり取りづらいため、時間もかかってしまいます。(緊急を除いて)会計がなくて料金がかからないのは良いことですが、1つの整形外科でほとんど全ての事を対応してくれる日本はとてもいいなと感じました。症状は落ち着いて来ていますが、ドイツの理学療法にも興味があるので、この機会に体験してみたいと思っています。そして今回実際に整形外科を経験してみて、1人ではとても難しいなと感じました。私も全ての日ではないですが、タンデムパートナーに一緒について来てもらい、ヘルプしてもらったからスムーズに進みましたが、1人ではとても難しいことばかりでした。その為アマチュアサッカー選手も怪我をした際は、かなり大変だと思います。病院難民になる気持ちも分かります。私も出来るだけ選手の力になれるようにサポートしていきたいと改めて感じました。










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