トップページ > ストレングス&コンディショニングコラム

ストレングス&コンディショニングコラム

№33「パフォーマンスアップの視点 その③ ~骨盤の傾き~」

2023/05/27

こんにちは(^^)
ケアウイング曙トレーニングセンター契約トレーナーの髙橋です。

前々回からパフォーマンスアップに繋がるトレーニングの視点でコラムを書いています。
ここでいうパフォーマンスとは、アスリートであれば競技力向上のことであり、一般の方であれば日常生活の質の向上といったところになります。

パフォーマンスアップにつながるトレーニングを行う上での視点は、基本的には次の5つになります。
それは、上から頭の位置(ヘッドポジション)、胸部(胸椎)の可動性、骨盤の傾き、膝の向き、足部の荷重位置の5つです。
これらをまとめて「Big5」と呼んだりもします。
また、頭位、胸椎、骨盤の3つをまとめて「コアアライメント」などと言ったりすることもあります。

このうち、第1回は「頭の位置」についてみていきました☟
パフォーマンスアップの視点 その① ~頭の位置(ヘッドポジション)~

第2回となる前回は「胸部の可動性」について書いていきました☟
パフォーマンスアップの視点 その② ~胸部(胸椎)の可動性~

【骨盤の基本的構造】
そもそも骨盤にはどういったものが含まれるのでしょうか?

図1  図2

(図:visible body アトラス)

一般的に骨盤として考えられているのは、上図の青色の部分の寛骨と呼ばれる骨になると思います。
この寛骨、もともとは腸骨、坐骨、恥骨の3つの骨が癒合してできた骨で、仙腸関節を介して背骨の一部である仙骨につながっています。
そのため、この仙骨を踏まえて、骨盤帯として考えられることもあります。

【骨盤の基本的肢位】
骨盤は基本的な立位姿勢では「やや前傾」している位置が正しいとされています。
これは軸骨格である仙骨の傾きにも関係しており、さらには腰椎などの背骨の弯曲からも影響を受けています。
特に腰椎の生理的弯曲である前弯が正しく保たれているかどうかが重要なカギになります。
(下図参照)

図3

(図:visible body アトラス)

立位姿勢での基本肢位と書きましたが、実際にはすべての肢位、そしてあらゆる動作で、出来るだけこの「やや前傾」を維持することが、パフォーマンスアップのカギになります。

【骨盤の傾きに影響を及ぼすもの】
骨盤の傾きは、「やや前傾」が基本的な肢位で、それを以下にキープするかがパフォーマンスアップのカギになります。
しかし、様々な要因で骨盤の傾きは容易に変化してしまいます。
それらの要因のうち、一般的によく見られるものを挙げてみます。

お尻から太もも後面の筋肉の硬さ
骨盤から大腿骨(太ももの骨)の後面に付着している筋肉(大殿筋やハムストリングスなど)が固くなると、骨盤は後ろに引っ張られます。
そうすると骨盤はやや前傾のポジションを保てずに、後傾気味になっていきます。
オフィスワークで座位姿勢が多い人は気をつけたいですね。

股関節を曲げる筋肉が弱くなる
股関節を曲げる筋肉(腸腰筋・大腿直筋など)は骨盤や腰椎から大腿骨の前面に付着し、骨盤の前傾を維持してくれています。
これらの筋肉が弱くなると、正しい位置をキープできなくなり、骨盤が後傾しやすくなります。
日ごろから歩くことが少なく、身体活動のレベルの低い方は要注意ですね。

体幹のインナーマッスルの機能不全
骨盤の前傾を維持するには、テレビや書籍などでも取り上げられる機会が増えている体幹のインナーマッスルの役割も重要です。
1つは腰部の安定性を高めるコルセット筋として知られる腹横筋です。
腹横筋は腰部を腹巻状に覆う筋肉で、腹圧を高めることで腰椎の安定性を高めてくれています。
もう1つは腰部のローカルスタビライザーとも呼ばれる多裂筋です。
多裂筋は背骨を最深層でつなぎ、直接的に背骨(特に腰椎)の安定性を高めています。
これらの筋肉に加え体幹のインナーマッスルが相互に働くことで、腰椎の安定性を保ち、骨盤の前傾を保ってくれています。
様々な要因に体幹のインナーマッスルの働きは悪くなりやすいので、気になる方は運動指導の専門家に相談していただくことをおススメします!

簡単にパフォーマンスアップにつながる視点として、骨盤の傾きについて観てきましたが、最後にもう一度まとめておきます。

パフォーマンスアップの為の骨盤の傾き
 骨盤はどのような場合も「やや前傾」に保っておくことがパフォーマンスアップにおいてカギになる
 お尻からももの後の筋肉の柔軟性をキープすることで骨盤の前傾は維持されやすくなる
 股関節を曲げる筋肉を使う生活習慣を身につけよう!
 体幹のインナーマッスルの使い方を身につけよう!


次回、パフォーマンスアップの視点その④では、膝の向きについて書いていきたいと思います。

ケアウイング曙では国家資格を有するトレーナーが、科学的根拠をもとに、より効果の高いトレーニングの指導をしています。
ぜひ一度、ケアウイング曙のパーソナルトレーニングをお試しください!
あわせて身体に関するお悩みをどこよりも分かりやすく解決いたします。
気になったらいつでも☟にご連絡ください!
☎ 082-568-6102

ケアウイグ曙トレーニングセンターのホームページはコチラ
ケアウイング曙鍼灸接骨院のホームページはコチラ


健康運動指導士
ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(CSCS)
鍼灸師
髙橋 大輔

飛翔会の整形外科クリニック


スポーツ支援活動実績