トップページ > ストレングス&コンディショニングコラム
ストレングス&コンディショニングコラム
第二期「サプリメントの基礎知識と現状を知る」
2013/12/27
サプリメントの基礎知識
PDF版はコチラ
今号から2回に渡って『サプリメント』について紹介する。初回の今回は、サプリメントの基礎知識や使用状況が伸びた背景などについて触れたい。
サプリメントとは和訳すると『栄養補助食品』である。具体的には炭水化物やたんぱく質などの五大栄養素や摂取しづらい栄養素を錠剤や粉末、カプセルなどに凝縮したものだが、国内外において共通の定義、分類は存在しない。スポーツ科学・医学など先端の研究を行うJISS(国立スポーツ科学センター)では、炭水化物やたんぱく質、ビタミンなどの栄養素が主となったものをダイエタリーサプリメントやスポーツフード、運動能力に影響する可能性のある栄養素や成分を含んだものをエルゴジェニックエイドと、スポーツの現場で適すると思われる分類に区分している。
次に摂取方法に関してだが、先述したとおりサプリメントは『栄養補助食品』である。特定の栄養素こそ凝縮されているが、全てが網羅されているわけではなく、高価なことからも食事の代わりにならない。また、過剰摂取にも注意が必要だ。特定の栄養素などが抽出されたものではあるが、その他の栄養素も含まれている。例えばプロテインの場合、主としてたんぱく質が豊富に含まれているが、その他に糖質や脂質などが含まれる。故に過剰摂取すると体内に蓄積され体脂肪として残ってしまう可能性がある。このように身体に悪影響をもたらすこともあるということを知っておかなければならない。
では、なぜサプリメントがここまで注目を浴びるようになったのか。一般的にはダイエットに関係したフィットネス業界の影響が強いとされる。しかし高橋トレーナーは、アスリートに関しては「アメリカの影響」だと話す。日本と異なり食生活が偏りがちなアメリカでは、足りない栄養素を積極的にサプリメントで補うのだ。それに加え、コマーシャルによる効果も大きい。一流アスリートとタイアップすることで、他のアスリートも影響を受けてサプリメントを使用するようになる。さらにそこから、下のカテゴリーへと連鎖していく。こうしてサプリメントは若年世代まで広がっている。
しかし、高橋トレーナーは若年層へのサプリメントの広がりに疑問を呈す。「必要と言う人もいますが、まずは食事量をしっかりと見直すべき」なのだと言う。一般的にトップアスリートより練習量の多い若年層が食事量を気にする必要はない。逆にトップアスリートは体重制限などから細かな食事の管理を求められることが多い。そのため、一部の栄養素をサプリメントで補う必要が出てくるのだ。トップアスリートの取り組みをそのまま鵜呑みにすることが必ずしも良いこととは限らないのだ。
ストレングス&コンディショニングコラムは元男子バレーボール日本代表フィジカルコーチ 大石 博暁を始めとした、
飛翔会グループの経験豊富なスタッフが、トレーニングについて分りやすく解説します。