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「ジャンプ力向上講座 その3 ~効率のよいジャンプをするために~」 大石 博暁
ストレングス&コンディショニングコラム2011/08/20
ジャンプ力向上講座
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ジャンプをするとき、体のメカニズムをよく見ると、股関節→膝関節→足関節の順番に動いていることが分かります。これはジャンプに必要な力が伝わっていく流れと同じです。よって効率よく力を使ってジャンプをするためには、体幹を安定させて股関節をしっかりと使うことが大切になります。
実際にジャンプを行うときの姿勢としては、スクワットのような体勢が理想でしょう。まず足のつま先の真上に膝がくるように腰を落とし、胸を張って背筋をそらします。
そしてその体勢から膝をあまり動かさずに、股関節を大きく使って跳び上がると、力を効率よく使ったジャンプができます。女子選手には膝を前に動かしてジャンプをする人が多いのですが、これでは股関節の動きが小さくなってしまい、大きなジャンプ力を得られません。以下のようなエクササイズを段階的に行っていき、より力を発揮できるジャンプの体勢を体に覚えさせていきましょう。
- 椅子に座って手を頭の後ろで組み、背筋を伸ばした状態から立ち上がる。このとき、膝の位置を変えないように注意する。
- 椅子に座ったときと同じ姿勢で棒を持ち、膝の位置を変えないようにお尻の筋肉をうまく使って立ち上がる。
- 1と同じ姿勢で、棒を持たずに手を前に伸ばし、自分の筋力で支えながら立ち上がる。
- 3と同じ姿勢で、手を腰に当てて自分の筋力で立ち上がる。手を体の近くに持ってくることによって、より体幹の支持能力が求められる。
- 棒を頭の上で持ち、常に頭上でキープしたまま立ち上がる。手を上げることで肩甲骨から腕にかけての柔軟性や背筋力が必要になる。
- 手を腰に当てて真上にジャンプする。このときも背筋を伸ばし、膝の位置は変えずに股関節を使うように意識する。
- ジャンプの完成型。6に腕の振りをつけて全身でジャンプする。股関節やお尻からハムストリングスにかけての筋肉をしっかりと使う。
ジャンプ力という点では、体の重さがジャンプ力に影響を及ぼすと考えている選手も多いですが、これは大きな誤解です。初速動作が遅くなるほどの重さならばともかく、高く跳ぶためにはそれだけの力が必要になります。筋力なくして、大きなジャンプ力を得ることはできません。
しっかりと筋力をつけ、速い収縮を促してジャンプの初速を上げることができれば、必ずジャンプ力は向上します。トレーニングを積んで、ジャンプ力をアップさせましょう。
ストレングス&コンディショニングコラムは元男子バレーボール日本代表フィジカルコーチ 大石 博暁を始めとした、
飛翔会グループの経験豊富なスタッフが、トレーニングについて分りやすく解説します。