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「スタビライゼーション①」 大石 博暁

 ストレングス&コンディショニングコラム

2011/08/20

スタビライゼーション



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人間の体には、運動に関わる関節を動かす筋肉と、関節を安定させる筋肉があります。スポーツを行うにあたっては、どちらの筋肉も同じように大事です。そのうち今回から2回に渡って紹介する『スタビライゼーショントレーニング』は、後者の筋肉を意識することを目的としたエクササイズになります。
筋力トレーニングというと、一般的には表層の体を動かす筋肉ばかりを鍛えがちです。しかし表層の筋肉ばかり鍛えても、それがうまく使えないのではあまり意味がありません。動作中の頭部、体幹、四肢の位置や状態を素早く把握して、神経と筋肉の協調性機能で姿勢や運動を調整し、バランスをうまく回復する力をしっかりと養っていきましょう。
スタビライゼーショントレーニングで大切なのは、『体幹を締める』感覚になります。動作はすべて静止で、同じ姿勢を約30秒間維持しましょう。体幹の支持を安定させる筋肉に刺激を与えることで、力をより効率よく発揮できる姿勢や動きが身につきます。

【1】腕立て支持
STEP1…両手を床につき、頭部から踵まで一直線の状態を維持する。腕は肩の下にまっすぐ降ろし、膝もしっかりと伸ばす。このとき頭が下がったり、腰が反ったりしないように注意する。
 
STEP2…STEP1の応用編。1と同じ姿勢から片手を床と水平になる高さまで上げる。手を上げることによって、肩甲骨周りの筋肉を安定させたり、体幹と上肢の筋肉を連動させて鍛えることができる。
 
STEP3…STEP1の姿勢から片脚を上げる。この種目では、脚を上げている方のお尻の筋肉や背筋の力、床につけている方の股関節周りの深層の筋肉を鍛えることができる。

【2】肘で支持
STEP1…両肘を床につき、頭部から踵まで一直線の状態を維持する。肘が肩の下にくるように垂直に降ろし、膝はしっかりと伸ばす。このとき頭が下がったり、腰が反ったりしないように注意する。
 
STEP2…STEP1の姿勢から、片脚を上げる。この種目では、脚を上げている方のお尻の筋肉や背筋の力、脚を床につけている方の股関節周りの深層の筋肉を鍛えることができる。
 
STEP3…STEP1の応用編。肘の下にバランスディスクやハーフカットのストレッチポールを置いて不安定な状態にし、より体幹の深層にある筋肉が働くようにする。

【3】四つ這い
STEP1…肩の真下に手首、股関節の真下に膝がくるように四つ這いになる。このとき、頭部から尾てい骨までが一直線になった状態を維持する。これが四つ這いの基本姿勢。
 
STEP2…STEP1の姿勢から、床と水平になる高さまで片手を上げて、その状態を維持する。上体は頭部から尾てい骨まで一直線にし、腕や脚は体幹に対して床へ垂直に降ろす。
 
STEP3…STEP1の姿勢から、床と水平になる高さまで片脚を上げて、その状態を維持する。このとき、頭やお腹が落ちたりしないように気をつける。上体は頭部から尾てい骨まで一直線にする。
 
STEP4…STEP1の姿勢から、対角の手と脚を上げる。このとき、肩甲骨と骨盤の高さは常に水平を保ち、体幹がねじれないように注意する。膝下に置いてあるバランスディスクはなくてもよい。





ストレングスコンディショニングコラムは元男子バレーボール日本代表フィジカルコーチ 大石 博暁を始めとした、
飛翔会グループの経験豊富なスタッフが、
トレーニングについて分りやすく解説します。

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