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「バランストレーニング⑤」 大石 博暁

 ストレングス&コンディショニングコラム

2011/08/23

バランストレーニング



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これまでは平らな面を下にしてボスを使ってきましたが、今回はボスを裏返した状態で行うトレーニングを紹介します。 ボスの丸くなった部分を下にして平らな面の上に立つと、足関節はほとんど動かなくなります。
床とボスの接している面積が少ないため、不安定さが増し、よりバランス能力が必要です。裏返す前と同じ動作を行っても、全く違う効果が得られるでしょう。股関節を中心にして、全身でバランスを取ることが大切です。競技者の場合、ボスを使ったバランストレーニングは、バーベルを担いでスクワットをするなど、アウターの筋肉を使ったあとに行うことがあります。下肢が疲労した状態で、あえてバランスを意識させるのです。この状態ではアウターの筋肉でバランスを取れなくなり、必然的にインナーの筋肉を鍛えることができます。一般の方はなかなか難しいかもしれませんが、バランス能力の高い選手であれば、疲れているときでも問題なくできるはずです。

【19】ボスの上に立つ
STEP1…ボスの平らな面の上に片足で立つ。右足と左足の両方を行って、バランスを比較する。難易度は高く、最初は揺らぎを止めるだけで時間を要することもある。

【20】片足立ちから脚を動かす
STEP1…ボスの上に片足で立ち、もう一方の脚を前に伸ばす。そこから伸ばした脚を後ろや横へ動かしていく。一連の動作を連続して行う。ボスから落ちないように注意。 STEP2…STEP1の姿勢から脚を後ろに動かした状態。最初はうまくバランスが取れずボスから落ちやすいが、トレーニングを繰り返すことで次第に自分の意志でコントロールできるようになる。
STEP3…STEP2の姿勢から脚を横に動かした状態。STEP1~3の動きを連続して3~5回できるようになれば、かなり体幹が安定してバランス能力が改善されていると言える。

【21】スクワット
STEP1…ボスの上にまっすぐ両足で立ち、両手を肩の前で組む。この体勢から膝を前に出さずにしゃがんで、股関節でスクワットを行う。足下が不安定なため、バランスは取りにくい。
STEP2…STEP1の姿勢から、そのまま手の位置を変えずに腰を落とす。少し重心を後ろに持っていくようにスクワットする。股関節でバランスを取り、動作はゆっくりと行う。

【22】片足立ちでスクワット
STEP1…ボスの中央に片足で立ち、両手は肩の前で組む。この体勢から膝を前に出さずにしゃがんで、股関節を使ってスクワットをする。両足をついているときよりもかなり難易度は高い。
STEP2…STEP1の姿勢から、そのまま手の位置を変えずに腰を落とす。少し重心を後ろに持っていくようにし、ゆっくりと動作をしてバランスを取る。競技者であればこの種目はクリアしたい。

【23】棒を持ってスクワット
STEP1…ボスの上に両足で立ち、両手に棒を持って頭上に掲げる。この体勢から棒を動かさないようにスクワットをする。体幹が崩れると、棒が前に出てくるなどするため注意。
STEP2…STEP1の姿勢から、棒を頭上に掲げたまま腰を落としてスクワットをする。肩甲骨周りの支持安定能力が必要になり、全てを複合的に使わなければこの動きはできない。





ストレングスコンディショニングコラムは元男子バレーボール日本代表フィジカルコーチ 大石 博暁を始めとした、
飛翔会グループの経験豊富なスタッフが、
トレーニングについて分りやすく解説します。

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