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第二期 「タンパク質と脂質の摂取に関する正しい理解」

 ストレングス&コンディショニングコラム

2013/03/23

タンパク質と脂質



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先月の糖質に続き、今回は三大栄養素の2つである、『タンパク質』と『脂質』について詳しくお話ししたい。

タンパク質に対してみなさんはどのようなイメージをお持ちだろうか。タンパク質は筋肉の他、臓器や皮膚、毛髪の素となる必要不可欠な栄養素だ。「体を強く、大きくしたい」という思いはアスリート共通のもので、それ故に摂取方法の誤解を招くことも多い。アスリートは運動後にこぞってプロテインを摂取し、破壊された筋繊維の修復と筋力増大を図る。「その考え方自体に間違いはない」と飛翔会の管理栄養士沖原さんは話すが、「どうしてもタンパク質が摂れないときの手段という程度」と昨今の〝プロテイン至上主義〟に疑問を呈す。

タンパク質の摂取目安は一般的に運動後20分~40分が良いとされる。手軽さやイメージからプロテインを手にするアスリートも多いが、実際には適切な食事を摂ればタンパク質が不足することはない。むしろ過剰な摂取は、体脂肪として体に蓄積されてしまう。「中高生など運動後の摂取が難しい場合は牛乳で十分。それにおにぎりやパンを摂れば栄養面では十分と言えるでしょう」と沖原さんは補足する。一般的なイメージと大きく異なる栄養素ではないだろうか。

最後に脂質についてだが、脂質は高エネルギーであるため「摂取してはいけない」という認識が強いが、細胞膜やホルモンの形成には最低限必要な量の摂取は欠かせない。また、ビタミンには水溶性と脂溶性の2種類があり、脂溶性ビタミンは脂質とともに吸収されるため、脂質が不足すれば、脂溶性ビタミンは吸収されにくくなる。さらに極端な脂質制限から、体脂肪率が低下した女性は、月経異常や疲労骨折などを起こしやすくなってしまう。加えて、タンパク質には必須アミノ酸と呼ばれる体内では作れず、食品からの摂取が必要な栄養素があるが、脂質にも同様に必須脂肪酸がある。DHAやEPAと聞けば馴染みがあるのではないだろうか。

春は環境の変化からパフォーマンスの低下が見られるが、その要因の一つに食生活の変化がある。栄養の不足はパフォーマンスだけでなくケガの誘発にも繋がる。新生活では食生活を整えることも重要なのだ。また、サプリメントの摂取が流行を見せているが、大事なことは自らの食習慣から不足している栄養素を適切に判断することだ。サプリメント摂取に頼っては、栄養の過剰摂取を助長し身体に変調をきたすこともある。3回に渡りお届けした栄養学はほんの触りであり、個々の意識が高まる助けとなれば幸いだ。





ストレングスコンディショニングコラムは元男子バレーボール日本代表フィジカルコーチ 大石 博暁を始めとした、
飛翔会グループの経験豊富なスタッフが、
トレーニングについて分りやすく解説します。

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