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「競技パフォーマンスを高めるウォーミングアップ⑥」 大石 博暁
ストレングス&コンディショニングコラム2011/08/23
ウォーミングアップ
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■四つ這い姿勢でのドリル
【1】ワニウォーク
《動作説明》 両手両足を床に着け、胸やお腹が床ギリギリになるくらい低い姿勢をとる。左手を前に出す際は右足、右手を前に出す際は左足を前方に踏み出し、地面に這いつくばるワニのようにゆっくりと前に10?20m歩く。
《ポイント》 身体を支える際に背筋や腹筋を使うためウォーミングアップとしての効果が高く、全日本男子バレーボールチームでも必ず取り入れている。低い姿勢を保つためには股関節と肩甲骨の柔軟性も必要になる。
【2】ハンド トゥ ムーブ
《動作説明》 腕立て伏せの体勢のように両手と両足の爪先で身体を支える。その後、軽くジャンプをするように両手と両足を同時に床から離し、前方に小刻みに進んでいく。《ポイント》 両手と両足の爪先を離す瞬間にバランスを崩さないよう意識しながら進む。また、応用編として後方や左右に進むトレーニングもあるが、特に左右への移動は難易度が高い。まずは前方が楽にできるようになってから、応用編に取り組んでみよう。
【3】手押し車
《動作説明》 補助員に両足首を持ってもらい、両手で身体を支える。頭から足を一直線にした状態を保ちながら、肘は真っ直ぐに伸ばしたままリズムよく10?20m進む。
《ポイント》 背筋や腹筋に力を入れ、腰の位置が下がらないように意識する。肩甲骨に力が入ると肘が曲がってしまうので注意。補助員はくるぶしをできるだけ軽く持ち、あくまで競技者自身の力で前に進むよう心掛ける。
■静止状態を伴うドリル
【1】ニー トゥ チェスト
《動作説明》 ヒザを曲げた状態で右足を胸に引きつけ両手でヒザを持ち静止する。その後、降ろす際に右足は身体の前方に着地し、その右足を軸にして今度は左足を同様に胸に引きつける。この動作を繰り返しながら約10~20mの距離を徐々に前方へ進む。
《ポイント》 足を胸に引きつける際に上半身が前後に崩れないように注意し、頭から爪先までのラインが床に対して垂直になるよう心掛ける。
■重心移動を伴わないドリル
【1】T字サイドニーアップ
《動作説明》 両手を真横に伸ばしTの字の状態を作る。その後、肘にヒザをぶつけるような意識で左足を上げ、着地したら右足も同様に上げる。この動作をリズムよく、10回を目安に行う。
《ポイント》 重心は常に身体の真ん中で保つようにする。足を上げることによって上半身のバランスが崩れやすくなるため、前後左右にふらつかないように注意する。
【2】ハーキー
《動作説明》 両足は肩幅よりもやや広めにとり、腰を落とし上体を曲げる。この姿勢を保ったまま、その場で5秒間素早く足を踏み続ける。
《ポイント》 小さい動きを素早く行うことによって、神経系の働きを活性化させる効果がある。また、腰を落とし上体を曲げた状態をキープするため、股関節をいかに安定させるかがポイントになる。5秒間全力で足踏みすることによって心拍数が適度に上がるため、アップの終盤に取り入れることが効果的。
ストレングス&コンディショニングコラムは元男子バレーボール日本代表フィジカルコーチ 大石 博暁を始めとした、
飛翔会グループの経験豊富なスタッフが、トレーニングについて分りやすく解説します。