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№10「ストレッチを考える ~その2:ストレッチでできること~」

 ストレングス&コンディショニングコラム

2021/04/28

前回はストレッチの種類(「ストレッチを考える~その1:ストレッチのいろいろ~」参照)についてお話をしました。
ストレッチには大きく分けて「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」がありましたね。
そして、それぞれのストレッチをそのやり方によって、さらに2つに分けて説明をしました。

今回は『ストレッチでできること』について少し掘り下げていきたいと思います。
まずは、様々な書籍やネットなどで言われている一般的な効果(できること)を挙げてみましょう。

筋肉の柔軟性の向上、リラクゼーション、疲労回復、筋緊張の減少、痛みの軽減、パフォーマンスアップ、疲れにくくなる、肩こりや腰痛の改善、傷害の予防などなど、挙げればきりがないくらいの効果が様々なメディアを通して言われていますね。
そのため、ストレッチの効果は万能のように言われることもあります。
実際に、これらの効果を感じられる方も多いと思います。

では、これらの効果を得るために、ストレッチを行うことで体内ではどのような変化が起きているのでしょうか?
言い換えると、ストレッチを行うことで、体内のどんなところ(組織や器官)に刺激を入れているのでしょうか?
ヒントは全身に張り巡らされているものです。

ストレッチで刺激を入れているもので、最も大切なのが神経系になります。
神経は身体の隅々から色々な情報を集めたり、脳からの命令を全身へ発信したりしています。
また無意識に行われている呼吸や消化・吸収などもこの神経の働きによって調整されています。
つまり、身体のほとんどの機能を調節し、様々な器官が協力して働けるようにしてくれているのが神経系の役割になります。

この神経系ですが、その仕事量と仕事の範囲の広さで、ときとして働きすぎたり、反対に働かなくなったりします。
その結果、筋肉の柔軟性の低下、疲れやすくなる、肩こりや腰痛など、上記に上げた症状が出やすくなります。
ストレッチによる刺激は、それらの症状に対して、働き過ぎている場合は休むように、働かなくなっている場合はその働きを起こすようにしてくれます。

ストレッチで刺激が入るもう一つ重要な組織が血管です。
血管もやはり全身に行きわたっています。
そして血管の役割全身へ酸素や栄養を届けたりする通路や、全身から二酸化炭素や老廃物を集めそれぞれの排泄する器官へ送ったりする通路になることです。
血管の調節は神経系の働きの中に含まれるのですが(血管の収縮や拡張は神経系を通して行われているため)、その仕事内容は、神経系と同様全身に影響を及ぼします。

血管は外からのチョットした刺激(ストレス)で、収縮してしまいます。
血管が収縮するということは、通路が狭くなり、そこを通る物質が通りにくくなるということです。
栄養が運ばれにくくなり、老廃物はいつまでたっても体内に残りやすくなってしまいます。
そして、先程の神経同様、全身の様々な不調につながっていきます。
ストレッチをすることで、神経系を介してこの収縮した血管を広げて、血流を改善して、体内の物質がスムーズに運搬されるようになります。

最初に挙げたように、ストレッチには全身にわたって様々な効果があります。
そこには、全身に広がる神経系血管へのストレッチによる刺激が関係しています。
ストレッチによって表に現れるだけでなく状態だけでなく、どこに刺激が入っているのかを意識して、ストレッチを行っていただくことで、より良いストレッチになってきます。

次回は、ストレッチの使い方について、前回の種類と今回の効果の話を踏まえてお話していきたいと思います!

健康運動指導士
CSCS
髙橋 大輔

飛翔会の整形外科クリニック


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