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お知らせ
№11「ストレッチを考える ~その3:ストレッチで使い方~」
ストレングス&コンディショニングコラム2021/05/29
前々回(ストレッチのいろいろ)、前回(ストレッチでできること)では、私の基本的なストレッチの考えをお話してきました。
ストレッチには大きく静的と動的の2種類あり、それらをさらに2種類ずつに分類しましたね。
ストレッチでできることでは、刺激を入れている部分が重要で、今回は特に神経系と血管系に焦点を当てました。
今回はそれらをまとめ、より実践に即したお話をしていきたいと思います。
どのような目的で、どのストレッチを行うと効率が良いか、つまり運動やトレーニング、スポーツなどでパフォーマンスを高めることが出来るかということです。
★身体の気づきを与えてくれる「重力性ストレッチ」
トレーニングや運動の開始時に最初に行って欲しいのが、静的ストレッチのうち「重力性ストレッチ」です。
トレーニングや運動の開始時に必要なのは、自分の身体がどのような状態にあるのかを知ることです。
身体のどの部分が動かしやすいのか、もしくは動かしにくいのか?
痛みを感じる部位は無いか?
それらを感じるために、できるだけ脱力して自分の感覚に集中する必要があります。
そこで有効なのが「重力性ストレッチ」になります。
また、神経系にも余分な筋緊張を抑えてくれたり、精神的にもリラックスさせてくれたりする効果があり、ウォーミングアップのウォーミングアップみたいな感じで行っていただきたいです。
この時に気をつけて欲しいのは、意図的に伸ばすというより、自然に伸びる範囲で行ってください。
意図的に伸ばそうとすると、筋肉が緊張したり、神経系が興奮したりすることにより、伸びる感覚が得られにくくなることがあります。
★身体を目覚めさせてくれる「筋力性ストレッチ」
自分のその日のコンディショニングを感じ取ったら、次は自分の意志を身体の隅々まで伝えていきます。
そのために効果的なのが「筋力性ストレッチ」になります。
自分の筋力を使って行うので、当然ですが身体は「静」→「動」へ少しずつスイッチが入っていきます。
1つの姿勢を作るための柔軟性と筋力発揮を同時に高めてくれます。
ここでの重要なポイントは2つあります。
1つは手足の末端や頭を出来るだけ遠くに伸ばすことです。
分かりやすく言うと、ちょうど身長を測るときのうように、頭とかかとを出来るだけ遠くに伸ばしていく感じです。
そうすることで伸ばしながら身体を使うことが出来ます。
2つ目はエンドポイントと言って動きの限界の所でさらにほんの少し自分の筋力を使って動くことです。
可動域が広がるだけでなく、広がった可動域での動きの安定性も向上します。
★動きをスムーズにしてくれる「ポジショナルストレッチ」
特定の姿勢での柔軟性や筋力発揮が高まってくれると、次は1つの姿勢から次の姿勢への動きを作っていく必要があります。
当たり前ですが、運動(スポーツなどを含む)にしても、トレーニングにしても、基本的には姿勢変化の連続です。
1つずつの姿勢が問題なくても、ある姿勢から別の姿勢へ移行が滑らかでなければ、動作としては非効率で、また同時にケガなどの原因となります。
ポジショナルストレッチでは、常に姿勢の変化を伴う中での柔軟性や筋力発揮を要求することで、それらの働きを目覚めさせていきます。
このストレッチで重要になってくるのが、動きの中心を意識することです。
動きの中心は1つの姿勢から次の姿勢へ移行するときの中心で、いわゆる動作の軸となります。
中心を意識して軸を固定することで、最適な動きとなり正しい柔軟性を獲得できます。
ウエイトトレーニングなどの筋トレや健康増進を目的とした運動であれば、ここまでのストレッチを必要に応じて行えばよいと思います。
★スポーツに適した「ムーブメントリズムストレッチ」
ここまでのストレッチは、柔軟性、筋力発揮、そしてそれらを使った1つ1つの姿勢や動きのスムーズさといったところを向上させる目的でした。
競技などのスポーツをするとなると、さらに反射や反応などのスピードへの神経系の働きや、栄養や酸素を送る血流がより重要になってきます。
ここで、必要になってくるのが、それらにも働きかけてくれる「ムーブメントストレッチ」です。
ここまで高めてきた柔軟性や筋力発揮などにリズムやスピードを加えていくことで、より競技に即した神経系の働きを活性化してくれます。
またリズムよく動くことで、筋肉はそのポンプ作用を高め、筋肉への血液の流れを良くしてくれて、酸素や栄養を届けてくれます。
★最後に忘れていけない「重力ストレッチ」
「重力ストレッチ」には、身体を「静」→「動」にする働きがあると最初に書きました。
このストレッチですが、トレーニング後やスポーツ後に行うと体を休ませてくれる方に働いてくれます。
「動」→「静」への働きもあります。
「重力性ストレッチ」で神経系への働きかけによって、神経は興奮状態からリラックス状態へ切り替わります。
そうすると筋肉はリラックスしていき休息へ入りやすい状態になります。
また自律神経へも働きかけて、血管を拡張し運動後も血流をある程度維持し、筋肉へ酸素や栄養を届け続けてくれます。
疲労回復を促進するにはこの運動後のストレッチがとても大切になります。
以上、3回に分けて、ストレッチについてお話してきました。
いろいろな効果があるストレッチです。
その目的や用途によって上手に使い分けたいですね!
健康運動指導士
CSCS
髙橋 大輔
ストレッチには大きく静的と動的の2種類あり、それらをさらに2種類ずつに分類しましたね。
ストレッチでできることでは、刺激を入れている部分が重要で、今回は特に神経系と血管系に焦点を当てました。
今回はそれらをまとめ、より実践に即したお話をしていきたいと思います。
どのような目的で、どのストレッチを行うと効率が良いか、つまり運動やトレーニング、スポーツなどでパフォーマンスを高めることが出来るかということです。
★身体の気づきを与えてくれる「重力性ストレッチ」
トレーニングや運動の開始時に最初に行って欲しいのが、静的ストレッチのうち「重力性ストレッチ」です。
トレーニングや運動の開始時に必要なのは、自分の身体がどのような状態にあるのかを知ることです。
身体のどの部分が動かしやすいのか、もしくは動かしにくいのか?
痛みを感じる部位は無いか?
それらを感じるために、できるだけ脱力して自分の感覚に集中する必要があります。
そこで有効なのが「重力性ストレッチ」になります。
また、神経系にも余分な筋緊張を抑えてくれたり、精神的にもリラックスさせてくれたりする効果があり、ウォーミングアップのウォーミングアップみたいな感じで行っていただきたいです。
この時に気をつけて欲しいのは、意図的に伸ばすというより、自然に伸びる範囲で行ってください。
意図的に伸ばそうとすると、筋肉が緊張したり、神経系が興奮したりすることにより、伸びる感覚が得られにくくなることがあります。
★身体を目覚めさせてくれる「筋力性ストレッチ」
自分のその日のコンディショニングを感じ取ったら、次は自分の意志を身体の隅々まで伝えていきます。
そのために効果的なのが「筋力性ストレッチ」になります。
自分の筋力を使って行うので、当然ですが身体は「静」→「動」へ少しずつスイッチが入っていきます。
1つの姿勢を作るための柔軟性と筋力発揮を同時に高めてくれます。
ここでの重要なポイントは2つあります。
1つは手足の末端や頭を出来るだけ遠くに伸ばすことです。
分かりやすく言うと、ちょうど身長を測るときのうように、頭とかかとを出来るだけ遠くに伸ばしていく感じです。
そうすることで伸ばしながら身体を使うことが出来ます。
2つ目はエンドポイントと言って動きの限界の所でさらにほんの少し自分の筋力を使って動くことです。
可動域が広がるだけでなく、広がった可動域での動きの安定性も向上します。
★動きをスムーズにしてくれる「ポジショナルストレッチ」
特定の姿勢での柔軟性や筋力発揮が高まってくれると、次は1つの姿勢から次の姿勢への動きを作っていく必要があります。
当たり前ですが、運動(スポーツなどを含む)にしても、トレーニングにしても、基本的には姿勢変化の連続です。
1つずつの姿勢が問題なくても、ある姿勢から別の姿勢へ移行が滑らかでなければ、動作としては非効率で、また同時にケガなどの原因となります。
ポジショナルストレッチでは、常に姿勢の変化を伴う中での柔軟性や筋力発揮を要求することで、それらの働きを目覚めさせていきます。
このストレッチで重要になってくるのが、動きの中心を意識することです。
動きの中心は1つの姿勢から次の姿勢へ移行するときの中心で、いわゆる動作の軸となります。
中心を意識して軸を固定することで、最適な動きとなり正しい柔軟性を獲得できます。
ウエイトトレーニングなどの筋トレや健康増進を目的とした運動であれば、ここまでのストレッチを必要に応じて行えばよいと思います。
★スポーツに適した「ムーブメントリズムストレッチ」
ここまでのストレッチは、柔軟性、筋力発揮、そしてそれらを使った1つ1つの姿勢や動きのスムーズさといったところを向上させる目的でした。
競技などのスポーツをするとなると、さらに反射や反応などのスピードへの神経系の働きや、栄養や酸素を送る血流がより重要になってきます。
ここで、必要になってくるのが、それらにも働きかけてくれる「ムーブメントストレッチ」です。
ここまで高めてきた柔軟性や筋力発揮などにリズムやスピードを加えていくことで、より競技に即した神経系の働きを活性化してくれます。
またリズムよく動くことで、筋肉はそのポンプ作用を高め、筋肉への血液の流れを良くしてくれて、酸素や栄養を届けてくれます。
★最後に忘れていけない「重力ストレッチ」
「重力ストレッチ」には、身体を「静」→「動」にする働きがあると最初に書きました。
このストレッチですが、トレーニング後やスポーツ後に行うと体を休ませてくれる方に働いてくれます。
「動」→「静」への働きもあります。
「重力性ストレッチ」で神経系への働きかけによって、神経は興奮状態からリラックス状態へ切り替わります。
そうすると筋肉はリラックスしていき休息へ入りやすい状態になります。
また自律神経へも働きかけて、血管を拡張し運動後も血流をある程度維持し、筋肉へ酸素や栄養を届け続けてくれます。
疲労回復を促進するにはこの運動後のストレッチがとても大切になります。
以上、3回に分けて、ストレッチについてお話してきました。
いろいろな効果があるストレッチです。
その目的や用途によって上手に使い分けたいですね!
健康運動指導士
CSCS
髙橋 大輔