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第二期 vol.6「トレーニングのシステム化」

 ストレングス&コンディショニングコラム

2012/06/07

トレーニング



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基本に立ち返り

人間らしい動きを手に入れる

 

 アメリカにあるアスリートパフォーマンスというトレーニング施設をご存知だろうか。現役メジャーリーガーやオリンピック選手を始め、様々な競技で活躍する選手がパフォーマンス向上を目指し、トレーニングを行なう施設だ。10年に開催されたサッカーW杯ドイツ大会で、3位に輝いたドイツ代表をサポートしたことで一挙にトレーニング界にその名前は広がった。カープの主砲栗原健太がオフに訪れる施設として、野球ファンにも耳馴染みがあるかもしれない。

 

 このアスリートパフォーマンスが提唱し、現在その重要性について語られているのが″トレーニングのシステム化〟だ。「管理栄養士、理学療法士、トレーナーなど様々な分野の人が重なり合って仕事を進めていくんです」。今春渡米し同施設のプログラムの最終段階であるPhase4まで終了した高橋大輔トレーナーは話す。1人のアスリートに対してトレーニングメニューを課すだけでなく、多角的にサポートすることで潜在能力を引き出していく。実際にアスリートパフォーマンスには体をアセスメント(評価)するところから始まり、トレーニングを行なう部署、その後の治療や食事の摂取に至るまでアスリートが必要とするものが全て揃っている。

 

 肝心のトレーニングに関して、高橋トレーナーは「最先端の施設ですが、特別なトレーニングをしているわけではない」と話す。アスリートパフォーマンスで重要視されるのは、基礎的なトレーニングでしっかりと″人間らしい体〟を作ることだ。ここで言う″人間らしさ〟とは、人間とはこう動き、こう反応するといったベースの部分。競技を長く続ければ生活習慣やケガ、プレーの特徴によって体のバランスは変わってくる。そのズレを整え、強化していくことが真の意味で体を作るという考え方だ。高橋トレーナーは「そういう意味では医者と同じ考え方ですね。病気の有無を調べ悪いところを治療し、元の状態に戻していく。治療はどこかの内臓機能を強化したりするものではないですからね」と付け加える。

 

 求められるレベルに多少の違いはあれど、同じ人間である以上“人間らしい体”を作ることにプロもアマチュアもない。もちろん競技に特化したトレーニングを否定するわけではない。体に幹を作っておけば、枝葉を整えるだけでしっかりとした樹木になる。すなわち正しい体の使い方ができれば、持ち得る力の100%を競技に注ぐことができるのだ。

 





ストレングスコンディショニングコラムは元男子バレーボール日本代表フィジカルコーチ 大石 博暁を始めとした、
飛翔会グループの経験豊富なスタッフが、
トレーニングについて分りやすく解説します。


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