トップページ > お知らせ

お知らせ

第二期「筋肥大と超回復の仕組みを知る」

 ストレングス&コンディショニングコラム

2013/05/17

筋肥大




PDF版はコチラ

暖かくなるとともに海水浴やアウトドアなど肌を露出する機会も増えてくる季節となり、体作りを意識する方もいるだろう。そこで今号から3回に渡って、ウエイトトレーニングについてお届けしたい。

初回は基本と言える『筋肥大』と『超回復』について説明していきたい。ひと言にウエイトトレーニングといっても段階により目的や内容は異なる。初期段階では筋持久力の向上(スタミナをつけて疲れにくい体を作る)や筋肥大(筋肉の量を増やし、大きくする)が目的になるが、「筋肥大はウエイトトレーニングの全てに通じる基礎となるもの」と高橋大輔トレーナーは話す。

筋肥大のためには負荷を大きくするトレーニングよりも、70%程度の負荷で回数を増やすことが理想とされている。一方で、高橋トレーナーは「回数だけでなく、どれだけの間、強い負荷がかかっているかがポイント。40~70秒間ほど筋肉に負荷を与え続けると良い」と言う。例えばベンチプレスの場合、4秒で胸元へ下ろして1秒キープ、そして1~2秒で持ち上げる。これを10回行うと70秒間負荷がかかったことになる。ベンチプレスを下ろす際に時間をかけるのは、そのときの筋肉の動き(伸張性収縮)が、重力に対してブレーキの役割を果たしており、筋肉に大きな刺激を与えるためだ。

トレーニングによって負荷がかかった筋繊維は一度破壊され、以前よりも強く再合成されるが、これを『超回復』と言う。この繰り返しによって筋肉は肥大していく。「風邪をひくとウィルスなどに耐性ができるのと同じことで、体にはストレス(刺激)に対して強くなろうという本能がある」と高橋トレーナーはそのメカニズムを説明する。

年齢や遺伝による個人差こそあるが、再合成には約48時間必要とされる。そのため、筋肥大にはトレーニング後、約48~72時間休息を設けることが効率的だ。トレーニングばかり行っても筋肥大は起こりにくく、却ってオーバーワークになってしまう。オーバーワークは筋肥大の妨げとなるだけでなく、精神的な焦りを生みだすなど負の連鎖を招いてしまうのだ。

このように、筋肥大には適度な休息が必要となる。さらに4月号の同頁で紹介した食事によるタンパク質の摂取も大切だ。高橋トレーナーは「トレーニングのための食事、休息と思われている方が多いが、食事と休息があってトレーニングが生きてくる」と説く。ウエイトトレーニングを始めようとお考えの方は、以上のことを踏まえて取り組んでいただきたい。





ストレングスコンディショニングコラムは元男子バレーボール日本代表フィジカルコーチ 大石 博暁を始めとした、
飛翔会グループの経験豊富なスタッフが、
トレーニングについて分りやすく解説します。

飛翔会の整形外科クリニック


スポーツ支援活動実績