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No.1「チームドクターという仕事」
スポーツドクターコラム2004/03/01
チームドクター
「スポーツドクター」とは、スポーツによるケガ、障害はもとより、スポーツと健康に関するスペシャリストのことです。この分野が国内に注目され始めたのは約10年前の事で、歴史は比較的新しいのです。
私がスポーツドクターを志した背景には、東海大学でアメリカンフットボールを始めた事があります。テーピングやアイシング、スポーツドリンクによる水分補給など、最新のスポーツ医学知識が本場アメリカから続々入ってきました。しかも当時の日本スポーツ界にはあまり取り入れられていなかったものばかりです。その事に感動した私は日本でもスポーツ医学をもっと勉強しようと思ったのです。
スポーツドクターが球団から正式に依頼され、スタッフの一員としてチーム全体を長期間にわたって担当するのがチームドクターです。 特にJリーグなどの各競技での強豪クラブのチームドクターは、各選手のケガや病気を治療するだけではなく、チーム全体の故障や疾病の防止、体力アップに関することまで、幅広い仕事を任せられています。
Jリーグでチーム専属のドクターを持っているクラブは残念ながら3、4チームくらいしかありません。ほとんどのクラブのチームドクターは、私のように所属する病院の業務のひとつとしてチームを担当しています。 チームが好成績を挙げることはもちろん、選手一人一人がよりよい競技生活を送ることにも、我々チームドクターは責任を持たなければなりません。選手の状態とチームの状況、対戦カードを見ながら、「今週は休ませてもよいが、来週(もしくは再来週)は大事な試合があるのでぜひとも間に合わせたい」という要望が、選手本人や監督・コーチから当然出てきます。我々としてはそれがチームドクターとしての役割なので、全力を尽くします。その試合の結果でチームの最終成績や、本人及び他の選手の成績、キャリアにも関わってくるからです。 しかし無理を押して出場したその後に明らかに悪い影響が出る可能性が高い場合は、きっぱりと断ります。
選手は体が資本なので、将来の選手生命に影響する事は絶対に避けなければなりません。長い目で見た場合に、チームにとってもマイナスになるはずです。
スポーツドクターコラムは整形外科医師 寛田クリニック院長 寛田 司がスポーツ医療、スポーツ障害の症状、治療について分りやすく解説します。