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頸椎後縦靭帯骨化症(OPLL:ossification of posterior longitudinal ligament)

 スタッフブログ 整形外科・内科疾患について

2011/07/26

後縦靭帯は椎体と椎間板の後面に沿い、脊柱管の前壁を縦に走行します。この後縦靭帯がなんらかの原因で肥厚、骨化し、脊髄を徐々に圧迫して脊髄症状を呈するものが後縦靭帯骨化症(OPLL)です。後縦靭帯骨化は頸椎部に最も多く発生するが、胸椎にもしばしば認められます。脊髄は骨化巣により前方から圧迫されて変形し、乏血、静脈うっ帯をきたします。脊柱管前後径に対する骨化巣の厚みの割合を狭窄率と呼び、40%を超えると脊髄症が発生しやすいと言われています。

原因
原因は不明ですが、常染色体優性遺伝といわれています。傾向として同一家族に多発する傾向があります。自然発症が大部分ですが、転倒などの軽微な外傷を契機として発症する例もあります。

傾向
有病推定率は、人口10万人に対して6.33人。男性に多く、好発年齢は40歳以降です。
症状
初期では可動性の減少、肩コリ、頸部痛がみられます。脊髄の圧迫が高じれば、脊髄症の麻痺症状が生じます。特に手指のしびれや巧緻動作障害、下肢の痙性麻痺による歩行障害を主訴とします。

治療
保存療法
まず保存療法が選択されます。頸椎柱の安静を目的に、頸椎カラ-を使用します。あるいは頭蓋直達牽引を行いますが、根治的治療とはなりません。疼痛に対しては、消炎鎮痛剤の服用、温熱療法も行います。また理学療法士による徒手療法や運動療法による筋力強化や姿勢改善、ADL動作指導に取り組みます。
 

手術療法
適応は、脊髄症状の重症例。例えば、手指のしびれ、箸使いやボタン掛けなどの巧緻運動障害、下肢・体幹のしびれ・冷えあるいは熱感、痙性歩行、排尿開始の遅延などがみられる場合です。手術目的として神経系の除圧と脊柱固定があります。

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